高校入試は、他の試験とは大きく違う特徴があります。
それは、試験当日の点数だけでなく、通知表の評価(内申点)が大きく影響する点。
地域や高校によって変わりますが、だいたい半々くらいの割合です。
内申点が足りず、学校の先生から志望校を下げられることも珍しくありません。
それでも、簡単には諦めたくないお子さんもいるわよね・・
内申点が足りない場合、本当に志望校を諦めるべきか、どれとも頑張ってみるべきか、悩む家庭は多いです。
そこでこの記事では、以下の点についてまとめました。

オンライン家庭教師の達人(達人)
この記事を書いた人
10年に渡る家庭教師派遣会社の勤務で、以下の仕事を担当。
- 100名以上のプロ家庭教師指導
- 1000件以上の家庭教師契約
- オンライン家庭教師部門の立ち上げ
オンライン家庭教師に関する内容を中心に、勉強に悩むご家庭へ、お役立ち情報を発信します。
詳しいプロフィールはこちら
中3の夏休みから本気で頑張れば、内申を上げることも十分可能です。
また、内申点が多少足りないままでも、当日点次第で逆転合格するケースも。
この記事を読めば、中3からでも内申を上げたり、当日点で逆転するコツが分かります。
内申が少し足りないくらいで諦めるのはもったいないですよ。
目次
高校入試は当日点と内申点の2つで決まる

高校入試の合否は、試験当日の点数だけでは決まりません。
通知表の成績から計算される内申点も加味され、当日点とだいたい半々くらいの割合で重視されます。
この割合は、都道府県や高校によっても違うみたいね。
三者面談では、内申点が合格基準よりどれくらい低いかによって、先生から意見されます。
- 通知表で2,3点足りないと、「落ちる可能性がある」とオススメはされません。
- 4点足りないと「受からないから止めた方がいい」と止められます。
通知表9教科の合計で、一度に3つ上がるとかなり優秀です。
さすがに4つ以上上がることは、ほとんどないみたいだね。
定員割れの場合、内申が足りなくても受かることも
地方の高校だと、最近は定員割れ(出願者数が、募集人数より少ない状態)になることも少なくありません。
この場合、内申点が低くても、当日点が合格基準であれば受かることが多いです。
志望校が毎年定員割れしている場合は、少々内申が足りずとも、挑戦する価値はあります。
内申点が足りない場合の志望校の決め方

内申点が足りない場合の志望校の決め方には、以下のパターンが。
本人の意思と、家庭環境によって、どうするかを決めましょう。
滑り止めの高校と併願する
ほとんどの地域では、私立高校と公立高校を1校ずつ受けることになります。
本命が公立高校で、滑り止めとして私立高校を受験するケースが多いもの。
私立高校を確実に受かるところで受験すれば、本命に受からずとも進学先を確保できます。
公立高校の志望校を下げる
志望校にこだわりがない場合は、安全圏の高校に変える方法もあります。
家庭の事情などの理由で私立高校が厳しいなら、公立高校で冒険しないのも立派な戦略。
ドラマチックな合格を狙うだけが受験ではありません。
子どもがプレッシャーに弱く、不安な受験をしたくない場合も、安全圏にした方が良さそうね。
迷うなら12月まで下げないこと
志望校を下げようか迷うなら、最終決定の12月までは変えないのがおすすめ。
9月~11月の定期テストの結果によって、内申点が上がる可能性は十分あります。それまでは、本命を受けるつもりで頑張りましょう。
安易に志望校を下げると、気がゆるみ、勉強に身が入らなくなる危険もあります。
公立一本で勝負をかける
私立高校を併願せず、かつ内申が足りない公立高校に勝負をかける選択肢もあります。
しかし、現実的なことを考えると、オススメできません。
失敗すると高校浪人することになり、1年間をふいにしてしまいます。
- 定員割れの高校に出願する場合や、内申点の比重が低い(2割程度)
- どうしても普通科の高校に行きたいが、他に選択肢がない
- プレッシャーがかかる勝負に自信がある
などの条件がない限りは避けた方がいいでしょう。
中3夏で内申点が足りない場合の戦略

頑張り次第では、中3の秋で内申が上がる可能性も。
9月~11月の定期テストなどの結果が良ければ、通知表の成績も上がります。
それを実現するには、以下の順番で考えましょう。
- 目標の内申点に届くために、通知表をいくつ上げればいいのかを把握する
- 副教科含めた9科目のうち、どの科目を上げるのかを決める
得意科目や、最近下がった科目など、上がりやすいものに狙いを絞った方がいいですよ。
副教科で成績を上げるのもアリみたいね。
塾や家庭教師の先生に相談するのもあり
内申アップの効率的な戦略は、受験システムや志望校の特徴によって変わります。
そのため、受験指導の経験が豊富なプロに相談したほうが、間違いがありません。
- 成績がオール3よりも上なら、高レベルな内容を教えてくれる集団塾
- 成績がオール3以下なら、自分のレベルに合わせて教えてくれる家庭教師
自分の成績に合わせて、適したほうを選択しましょう。
内申点のつき方と上げる方法

中3秋の定期テストが終わるまでは、通知表の成績をあげることに力を入れましょう。
そのためには、以下の3つのポイントが重要。
- 定期テストの点数
- 提出物(定期テスト後のワーク提出など)
- 授業態度
定期テストの点数アップはもちろんのこと、
- ノートやワーク提出は、綺麗・細かく記入する
- 発表したり、真剣に授業を受けている印象を持たせる
などの取り組みも重要です。
いつの時点の通知表から内申点に反映されるのかは、都道府県によって大きく変わります。
例えば、首都圏でも以下のように違います。
- 千葉県 中1の通知表から
- 神奈川県 中2の通知表から
- 東京都 中3の通知表のみ
反映される時期が遅いほど、巻き返しが可能。特に中3の成績から反映される場合は、9月~11月の取り組みがかなり重要です。
当日点で逆転合格を狙うときのポイント

内申点が固まる秋以降に、内申の足りない志望校を狙うなら、当日点にすべてを賭けることになります。
この場合、かなりの努力が必要。本気で取り組まなければいけません。
以下のポイントを押さえると、合格可能性が上がります。
頑張りぬく覚悟を決める
内申点が低い分、他の受験生よりも頑張らなければいけません。
逆転合格を起こすには圧倒的な勉強時間が必要になることを覚悟しましょう。
また、塾や学校の先生から言われた勉強だけではなく、自主的に勉強内容を考えることも大切。
自主的に・大量の勉強をやり遂げる覚悟があるかを確認しましょう。
「ちょっと頑張って、逆転合格したいな〜」くらいの覚悟なら志望校を下げるべきですよ。
達人のワンポイントアドバイス
本気になったお子さんは、勉強量や時間が明らかに変わります。
受験でこの経験をしたお子さんは、その後の人生においても、勝負所で本気で努力できるようになるもの。
個人的には、合否の結果よりも、本気で努力する経験の方が、今後の人生にプラスになると思っています。
勉強時間を圧倒的に増やす
内申点が足りない分、ライバルよりも当日点対策の勉強をする覚悟が必要。
- 平日は4~5時間
- 休日は8時間〜12時間
くらいの時間を頑張るつもりで取り組んでください。
休日に勉強時間を確保するためには、午前中にまとまった時間を取るのがコツ。
例えば、8〜12時で4時間頑張れれば、午後に4時間やるだけで8時間の勉強ができます。
主体的に勉強する
長時間勉強すると言っても、だた長い時間机に向かえばいいという話ではありません。
勉強した内容を定着させるために、理解度をチェックしましょう。
以下の方法がオススメです。
- 勉強した内容の問題を、自力で解けるか確認する
- 勉強した内容を、人に説明してみる
問題が解けなかったり、上手く説明できないのは、理解があいまいな証拠ですよ。
合格に必要な点数・必要な勉強を知る
逆転合格を叶えるには、必要な当日点をはっきり意識しましょう。
子どもの内申点によって、必要な当日点は変わるみたいだね。
目標点を考える時には、以下のポイントを押さえましょう。
- 得意科目は高得点を狙い、苦手科目はそこそこに。
- 短期間で伸ばしやすい科目(社会・理科)で高得点を狙い、その他の科目は取れる範囲で。
- 通知表を伸ばしやすい科目に力を入れ、その他の科目は下げない程度に。
全科目を同じように頑張るのではなく、メリハリをつけて目標を決めるのが効率的です。
例えば、「苦手な数学に時間をかけすぎず、得意な社会を頑張る」という戦略が取れます。
戦略を立てるのが苦手なら、塾の先生など、受験指導の経験が豊富なプロを頼りましょう。
とくに家庭教師は、お子さんに合った授業や家庭学習メニューを考えてくれるので、効率よく受験勉強ができます。
環境を変える
今までとは違う環境で勉強をするのも良いです。
例えば、自宅で集中できないなら、
- 学校(図書室や自習室)
- 図書館
- 塾の自習室
などに通うのもありでしょう。
自習室など、周りの生徒も勉強する環境だと、自分も集中できるお子さんも多いみたいね。
目標点や重点科目を決め、効率的に勉強しよう
内申点が足りなくても、合格できるケースは珍しくありません。
安全圏の志望校に下げるのも一つの方法ですが、諦めたくないなら、やりようは十分あります。
どちらにせよ、目標点や力を入れる科目を考えることで、効率よく勉強することが大切です。
目標点や重点科目を決められないなら、塾の先生や家庭教師に相談するのが良いでしょう。