「高校受験の勉強は、いつから始めるのがベストなの?」
一般的には、中3の夏休みから取り組むお子さんが多いです。ですが、その前から意識したり、夏休み後に始めるケースもあり、人それぞれ。
- いつからどう勉強すればいいのか
- 今からでもまだ間に合うのか
と悩む受験生や親御さんは少なくありません。
結果によって高校が変わるので、人生の一大イベントと感じますよね。
そのぶん、不安も大きいです・・
そこでこの記事では、以下の点についてまとめました。

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高校受験対策のスタートは、早ければ早いに越したことはありません。
遅くとも中3の夏休みに入る前には本腰を入れたいところ。
もし出遅れても、お子さんの努力次第でやりようはあります。「まだ間に合う?」と悩むくらいなら、すぐに始めましょう。
この記事を読むと、時期別の受験勉強法や、出遅れてしまった場合の対策が分かります。
目次
時期別・おすすめの高校受験対策勉強プラン

高校受験を意識するのは、早ければ早いほどよいもの。本格化するのは中3の夏ですが、それ以前にもできることはあります。
それぞれの時期にどのような対策をすべきか、理想的なスケジュールを紹介します。
時期 | 特徴 | やるべき対策 |
中1・中2 | 通知表の成績が入試に関係することがある | 定期テストなどに力を入れ、通知表の成績を上げる |
中3春 | 早い家庭だと本格的に入試を意識する | 定期テストを最優先し、余裕があれば中1・中2の復習を始める |
中3夏休み | 部活を引退し、本格的な受験対策勉強の雰囲気になる | 中1・2の復習と中3夏休み明け内容の予習 |
中3秋(9~11月) | 定期テスト・実力テストが目白押し | 定期テストを優先して勉強し、実力テストの出題傾向にも慣れておく |
中3冬(12月以降) | 志望校が決定 | 入試対策に絞った勉強 |
中1・中2は定期テストを確実に
この時期は、まず定期テストで高得点を取ることを目標にしましょう。
この時期につまづきを放置すると、受験勉強時の負担が大きくなります。
つまづきを放置しないためには、定期テストで間違えた問題の復習が大切。
テストが終わったら気が抜けて、復習をしない生徒が多いので注意です。
また、部活に精を出すのも悪くありません。部活を頑張ることで体力的、精神的にも成長しやすく、中3の受験期を乗り切る力がつきます。
通知表が入試に関わる時期も調べよう
いつの通知表から入試に関わるかは、都道府県によって異なります。例えば、各県ごとに以下のような違いが。
- 千葉県 中1の通知表から
- 神奈川県 中2の通知表から
- 静岡県 中3の通知表のみ
そのため、中1の通知表から入試に関わる場合は、授業態度、提出物を完璧にして、通知表の成績を上げておくことで、受験の時に有利になります。
中3の春は定期テスト対策&総復習を
受験勉強が本格化するのは中3の部活引退後、夏休みから。
できるならば春の段階から、少しずつでも動き出すのが望ましいです。
高校受験用の市販のテキストを購入し、中1、2の基本問題から復習を始めておけば、夏以降が楽になります。
ただし、最も重要なのは定期テストです。
中3の通知表の結果は、入試に直結する重要な要素。
通年の定期テストの結果が反映されるため、この時期の定期テストで成功すると、大きな貯金ができます。
今のうちに成果を残せば、あとあと有利になりそうね。
中3の夏休みは全力で復習と予習
部活動が終わり、夏休みを迎えると、一気に高校受験ムードに。
多くのお子さんが高校受験を意識し始め、勉強に取り組むでしょう。
この時期にやるべきことは、まずは中1・2の復習です。
受験用のテキストを購入し、中1、2の基本問題から復習を開始しましょう。
同じ問題集を2回、3回と繰り返せば、理解が深まります。
また、可能なら夏休み以降の単元の予習もしておきたいところ。
9月~11月は定期テストと実力テストが目白押し状態で、勉強内容がかなり多くなります。
今のうちに定期テスト対策を始めておけば、余裕をもって臨めます。
自力で予習するのは、効率がよくありません。塾か家庭教師を始めるのが理想。
ほとんどの塾では、昼間に中1・2の復習、夜に中3内容の予習という授業カリキュラムを組んでいます。
家庭教師も、希望すれば中3の予習の指導をしてくれます。
中3の秋はひたすらテスト勉強
夏休み明けの9月~11月は、定期テストと実力テストが受験生を待ち構えています。
ひと月に2つのテストがあることはザラ。「テストが終わったらまたテスト勉強・・」という状態が続きます。
スケジュール面では、一番キツイかもしれないね。
この時期に優先したいのは、定期テストのほう。
ほとんどの地域では、定期テストによって通知表の成績が決まり、それが入試に関わります。
実力テストは、直接入試には関わりません。
実力テストは、12月の三者面談の参考資料にされますが、入試の点数には関係ありません。
まずは定期テストの勉強を優先させ、余裕があれば、中1・2の範囲を学習しましょう。
実力テストでは、復習などを通じて、入試の問題形式に慣れることが大切。
基礎を身に着けたうえで、入試の出題形式の問題を繰り返せば、安定して点数が取れるようになります。
中3冬・直前期は出題形式に慣れる
12月になると、三者面談で志望校を決めます。残る重要なテストは入試だけなので、入試の過去問や予想問題を解きましょう。
トップ校を狙わない限りは、満点を狙う必要はありません。応用問題は捨て、合格点を稼ぐための問題を、確実に正解できるようになりましょう。
また、緊張によるうっかりミスを防ぐために、以下の取り組みもおすすめです。
- 見直しする余裕を作るために、何回も繰り返して解く時間を早くする
- 本番と同じ時間帯で、時間を計って予想問題や過去問を解いてみる
- 予想問題(過去問)で、「〇点以上なら自分へのご褒美をあげる」などの条件をつけ、自分にプレッシャーをかける
受験までのスケジュールをまとめよう

受験に向けて何から手を付けたらいいか分からない人は、まず入試までの大まかなスケジュール・やるべきことをまとめてみましょう。
以下のポイントを整理してください。
- 中3夏休み
- 志望校を決める。必要な内申点や入試本番の点数が決まり、テストの目標点が決まる。
中1、2の総復習を始める。 - 中3夏休み明け〜11月
- 定期テスト・学力テストの日程を書き出す。
定期テストが終わるまでは、定期テストを優先するのがおすすめ。 - 12月
- 三者面談で志望校を確定させる。入試形式の問題に慣れる勉強がメインになる。
- 1月~3月
- 入試日程を確認。多くの地域では、私立高校は2月、公立高校は3月。

以上の点をまとめることで、
- 目標点数(通知表、入試当日点)
- いつにどのような勉強をするべきか
のイメージが湧きます。それをもとに、具体的な勉強内容を考えるとよいでしょう。
高校入試対策勉強のコツ

時期ごとのイベントやスケジュールが分かれば、やるべき勉強が分かってきます。
さらに具体的なコツも紹介します。
入試対策問題集を2回3回と繰り返す
中1、2内容の復習は、教科書や学校のワークよりも、市販の入試対策問題集のほうが効率的です。
塾などであっせんされる、1冊2,300円程度の問題集もオススメですよ。
また、同じ問題集を何回も繰り返すことで、理解が深まるもの。
分からない問題は、学校や塾・家庭教師の先生などに質問したいところです。
ノートまとめ勉強は相性が悪い
入試問題は、定期テストとは出題形式が違います。出題傾向にそった問題を繰り返す勉強が重要。
中学生の勉強方法のひとつに、「ノートまとめ」がありますが、五科目3年間分をまとめるのは、かなりの時間がかかります。
入試ではもちろんノート提出はないので、ノートまとめのメリットも少ないのよね。
特に、数学や英語・国語は問題演習が重要なのでオススメできません。
社会や理科は、内容を整理するという点では効果的なことも。
その場合でも、教科書をいちからまとめなおすのではなく、入試対策の参考書内容をまとめるほうが効率的です。
模試や実力テストは終わったあとが重要
この時期になると実力テストや模試が増えます。これらのテストは、受け終わった後が重要。
- うっかりミスなど、「分かってるつもりなのに間違えた問題」は、自力で正解できるように復習する
- 分からなかった問題は、易しいものから勉強していく
という順番で見直しをし、①は次回は正解し、②を減らしていきましょう。
満点を取る必要がないなら、応用問題を捨てることも必要ですよ。
中3夏〜秋では、過去の復習が終わり切らないため、実力テストでの高得点は簡単ではありません。
この時期に点数が取れなくても、必要な勉強が追い付けば、秋から冬にかけて点数が伸びます。
結果が悪くても諦めず、「弱点が分かって良かった」くらいにポジティブに考えましょう。
得意科目と苦手科目で目標点を変える
入試の成績は、5科目の合計点で判断します。苦手科目があっても、他でカバーできれば問題ありません。
苦手科目の克服が難しいなら、他の科目で得点する戦略も有効です。
苦手科目を無理やり伸ばすよりも、得意を伸ばす方が効率が良さそうですね。
もう手遅れ?出遅れた場合の巻き返し方

順調に受験勉強に臨めるお子さんばかりではありません。色々な事情から出遅れるケースもあるでしょう。
代表的なパターンとその対処法を紹介します。
中3の夏を迎えましたが、今まで全然勉強しませんでした
このようなタイプのお子さんは意外と多いもの。
勉強から目を背けてきたものの、周りが受験モードになることで火がつくパターンです。
このタイプは、夏休み中にどれだけ頑張れるかが勝負。この期間にガッツリ勉強すれば、遅れの取り戻しも不可能ではありません。
ただし、これまでサボっていたお子さんが、自力で効率的に勉強するのは難しいもの。塾や家庭教師などのプロの力に頼った方が確実です。
集団塾は、中3夏休みから受験対策のカリキュラムを組んでいるので、この時期に始めれば十分間に合いますよ。
学習対策は、お子さんのレベルに合った方法を選びましょう。
- 偏差値50以上の進学校を狙うなら進学塾
- 偏差値50以下、実業系の高校を狙うなら家庭教師
自分に合わない対策だと、成果が出にくくなります。
中3の夏休み、あまり勉強できませんでした
強豪の運動部や吹奏楽部などでは、夏休みも忙しいケースも。夏休み期間を勉強に充てられないこともあるでしょう。
この場合は、過去の復習が不十分になり、受験勉強が大変になります。
夏休み明けの9月~11月は、定期テストや実力テストが目白押し。ゆっくり復習できる余裕がありません。
この場合、方針は二つに分かれます。
- 志望校の合格圏内に近い場合は、まずは定期テストを優先する
- 合格圏内から遠い場合は、マンツーマンで効率よく教えてもらう
合格圏内に近いなら定期テスト優先
実力テストの点数は、直接合否には無関係ですが、定期テストの結果は内申点に影響します。
そのため、まずは定期テストを優先し、余裕があれば基礎から勉強してください。
定期テストが終わり次第、全力で実力テスト対策勉強を始め、入試本番の点数を伸ばしましょう。
合格圏内から遠いなら、プロの力を借りるべき
合格圏内から遠い場合は、自力で間に合わせるのはギャンブル。
よほど自信がない限りは、受験指導に詳しい人の力を借りるべきです。
集団塾の場合、夏休みの講習ありきで受験勉強プランが作られることが多いです。この時期からの利用はあまりオススメできません。
マンツーマンで教われる家庭教師に、受験までの勉強プランも含めて相談しましょう。
経験が少ない学生教師よりも、受験生の合格実績があるプロ教師がオススメです。
中3の冬休みに入りました、今からでも間に合いますか?
多くの学校では、冬休み前の三者面談で志望校を決めます。このタイミングで、お子さんが本気になったり、焦りだす場合も。
三者面談では、合格可能性の高い高校を選びますが、可能性の低い高校を志望するかもしれません。
いずれにせよ、この場合はかなり厳しいです。
伸ばせるのは入試の当日点しかないため、そこに賭けるしかありません。以下の2点が重要です。
空き時間をすべて勉強に充てる覚悟で
これまで勉強してきたお子さん以上の勉強量が必要です。
入試までの残り期間、できる限り多くの時間を勉強に割きましょう。
- 平日は5時間以上
- 休日は最低8時間
勉強するつもりで取り組まなくてはいけません。
合格実績のあるプロ家庭教師に依頼する
残り期間が少ないので、最大限効率の良い勉強が必要です。そのためには、受験指導のプロの力を借りるべき。
効率の悪い勉強をしているヒマないってことね。
決まったカリキュラムの集団塾ではなく、お子さんに合わせて、個別に勉強プランを考えてくれる家庭教師に依頼しましょう。
経験や合格実績の多いプロ教師に頼むのが必須です。
人気教師の場合、すでにスケジュールが埋まっていることが多いです。
授業スケジュールは、先生の空に合わせるしかなさそうね。
早いに越したことはないが、出遅れてもやりようはある
高校受験は、早くに始めれば始めるほど有利ですが、出遅れてもやりようはあります。
だいたい以下のようにまとめられます。
- 中3夏休みよりも前に始められれば有利
- 夏休みからでも本気で取り組めば大丈夫
- 夏休み後から始める場合は、自力でやるよりプロを頼った方がいい
- 冬休みから本気を出すなら、相当な覚悟をしたうえでプロを頼るべき
悩むくらいなら、すぐに始めた方がよさそうだね。
こちらの記事では、高校受験を乗り切るために必要な情報をまとめています。
