家庭教師会社や、派遣された先生の見極めは案外難しいもの。
初回の面談では好印象でも、本当に信頼できるのか、取り繕っているだけなのかを見抜くのは簡単ではありません。
塾のような集団授業であれば、感想や評判が簡単に聞けます。一方で、家庭教師は、口コミが広がりにくいものです。
親子で判断するしかないってことね。
ですが、良くない先生にあたると、お子さんの成績や進学に悪影響が及びます。
とはいえ、派遣会社や先生を、どう見極めればいいか分からない親御さんも多いでしょう。
そこでこの記事では、以下の点についてまとめました。
- 家庭教師の先生の良し悪しを見分けるポイント
- 派遣会社の良し悪しを見分けるポイント
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この記事を読めば、派遣会社や家庭教師を見極めるコツがわかります。
教師や会社を見極めるポイントがわかれば、良い教師・会社を選べるようになります。
目次
教師の良し悪しを見極めるポイント
まずは、実際に担当する教師を見極めるポイントを紹介します。初回授業前や、授業開始後に、以下のポイントをチェックしましょう。
指導経験
やはり、指導経験があった方が望ましいです。特に、勉強が嫌い・基礎からつまづいているお子さんほど、教える側に経験がないと難しいもの。
多ければいいというわけではありませんが、少なくとも2,3人の経験はあった方がいいでしょう。
学歴(出身高校・大学)
出身校は、先生の学力を担保する証明になります。とはいえ、高ければ高いほど良いわけではありません。
高学歴の先生のなかには、勉強が苦手な子の気持ちが分からないケースもあります。
一定の偏差値以上の学校であれば、あとは経験や、お子さんとの相性を重視したほうがいいでしょう。
中学受験や大学受験で家庭教師を始める場合は、先生の出身校にはこだわりましょう。
できるだけ志望校の出身なのが望ましいです。それが無理なら、志望校のレベル以上の学歴の先生を依頼しましょう。
マナー
基本的なあいさつなどの、マナーがしっかりしているかは意外と重要です。
マナーができていない先生は、授業も雑になる可能性が高いです。
無断遅刻や欠席がないかどうかも重要です。
また、愛想のよさも気にしておきましょう。
愛想よく話ができる先生だと、お子さんもすぐに打ち解け、リラックスして授業に臨めます。
ただし、愛想が悪くても教えるのが上手く、分かりやすい授業をしてくれることも。
逆に、愛想が良くても授業の手を抜くタイプの先生もいるため、注意が必要です。
お子さんとの相性
お子さんと性格面の相性が良さそうかを確認しましょう。
性格が合い、意気投合すれば、お子さんが授業に前向きになります。それによって勉強への意欲も上がります。
親御さんから見た印象と、お子さんの印象が違うこともあります。両方の意見を総合するとよいでしょう。
先生が真面目で誠実なほど、最初は緊張する傾向にあります。その結果、初回授業は、お子さんも先生も緊張し、ギクシャクすることも。
そのため、最初に堅苦しそうな印象があっても、数回様子を見ることがおすすめ。
慣れてくるとコミュニケーションも自然になり、相性よく授業できるようになることも少なくありません。
受験の知識
お子さんが中三生の場合は、高校受験の制度を理解しており、受験に向けた長期の勉強プランを立ててくれるかが重要。
初回授業などで、受験に向けた学習方針について相談してみましょう。
派遣会社のスタッフがフォローする場合は、先生自身が詳しくなくても問題ありません。
授業の方針を示してくれるか
授業の前後に、簡単でもいいので、今後のプランを示してくれるかも大切。
例えば、以下のどれかに当てはまる場合は、授業プランを考えていると判断できます。
- 今回の授業内容と今後の授業の方針を教えてくれるか
- 親や本人の要望を踏まえてプランを組んでくれるか
- 派遣会社が示してくれたプランが先生に引き継がれているか
お子さんのタイプに合わせてくれるか
勘の良い先生なら、数回の授業でお子さんのタイプを見抜きます。そのうえで、授業のやり方を調整してくれます。
そういう先生は、授業後の報告時、自然と「お子さんはこういうタイプですね」と話してくれます。
そういう発言をしてくれる先生は、信頼していいってことだね。
親御さんから、「うちの子はどんなタイプですか?」と聞いてみる方法もあります。
お子さんの感想
反抗期で会話が難しいお子さんでも、月一回は「先生との授業はどう?」と聞いてみましょう。
このとき、返ってくる言葉ではなく、表情に注目。
年ごろのお子さんだと、先生に気を遣い、本音を話さないケースがあります。
一方で表情はごまかせないので、話すときの雰囲気や顔つきで、うまくいっているか確認しましょう。
宿題を出してくれるか
基本的には、先生が宿題を設定するのは必須。
授業の内容を、毎日復習することではじめて学力がつきます。
宿題を出しているかを先生に聞きつつ、授業日以外にもお子さんが家庭学習をしているか、それとなく見てみましょう。
テスト前の追加希望に応えてくれるか
テスト前の追加や延長授業を希望するなら、先生が対応可能かどうか事前に確認しましょう。
先生のスケジュールもあるので、なるべく早く相談しておくことが重要です。
先生が対応できない場合、サポート本部に相談しましょう。代打の先生を派遣してくれるケースも少なくありません。
ただし、先生の手配にある程度期間が必要(1週間程度)のため、やはり早めの対応が大切です。
以上の点を一覧にし、とるべき対応をまとめた表を作成しています。
失敗しない家庭教師選びに役立ててください。
当てはまるなら交代を!上手くいかない家庭教師を見抜くポイント
ここまで紹介したなかでも、特に気を付けるポイントを改めて紹介します。
以下に当てはまる場合、授業を続けても成果は出ません。修正してもらうようサポートに伝え、改善されないなら交代しましょう。
マナーの悪さが直らない
挨拶や遅刻、欠席の連絡などのマナーは非常に大切です。
繰り返しになりますが、基本的なマナーができていない先生は、授業もテキトーなことが少なくありません。
特に無断遅刻や欠席は、すぐに派遣会社を通じて注意してもらいましょう。
特に、注意しても直らない場合は、人として信頼できません。
お子さんの先生への信頼もなくなり、それが授業へのモチベーションにも悪い影響を与えます。早めに交代してもらいましょう。
宿題を出そうとしない・量が少ない
すでに述べている通り、成績を上げるためには、授業日以外の勉強こそ重要。
宿題を考えるのも家庭教師の先生の重要な仕事です。
- 宿題を出してくれない
- 日割りでで出してくれない(1週間分をまとめて出す)
- 量が少ない(30分もかからないくらい)
という場合は、サポート本部に相談するなどで要望を出しましょう。
それでも変わらない場合は、交代してもらう方がいいです。家庭学習が不十分なまま家庭教師を続けても、成績は伸びません。
部活などで極端に忙しい場合や、お子さんが自分で取り組んでいる場合は、この限りではありません。
お子さんが授業を嫌がっている
お子さんが授業を嫌がっている場合は要注意です。
- 性格の相性が合わず、先生とのコミュニケーションを苦痛に感じている
- 教え方の相性が合わず、授業内容が理解できていない
のどちらかが考えられます。
サポート本部などの社員からお子さんにヒアリングをしてもらい、先生を変えてもらうか、教え方を調整してもらいましょう。
勉強は嫌いだけど、家庭教師の先生は好きという場合は例外です。
このケースは、勉強嫌いのお子さんが、かろうじて家庭教師の授業で勉強への意欲を保っている状態です。
この場合は先生を交代せずしばらく様子を見ましょう。
先生とお子さんが「お友達状態」になっている
コミュニケーション能力が高く、(悪く言えば)ずる賢いお子さんは、勉強が嫌なあまり、先生との雑談を必要以上にとります。
なかには、授業時間の半分以上を雑談ですまそうとするお子さんも。
授業なんだから、勉強してもらわないと困るわね。
学生の先生や若い先生だと、お友達状態になってしまい、お子さんにコントロールされることも。
ふつう、授業がこの状態になると、成績は上がりません。プロの教師や、ベテランの教師に交代すべきです。
派遣会社の良し悪しを見極めるポイント
教師と同様に、派遣会社を見分けるポイントもあります。
派遣会社では、システムやサポートの質は同じではありません。以下のポイントに注目すると、その違いが見えてきます。
対応の早さ
コンタクトをとったときの反応が早いほど、顧客を迎え入れる体制ができています。
入会前の対応が遅い会社は、入会後もなにかと対応が遅く、信頼できません。
休日ではない限り、こちらから連絡をしたその日のうちに、返信や折り返しの連絡がない場合は要注意です。
料金システム
毎月の授業料や入会金は、安いに越したことはないでしょう。
しかし、注目したいのは相場よりも高すぎないかどうかです。
高いからと言ってよいとは言い切れないので、明らかに高い場合は、一度冷静に考えた方が良いです。
下の表を参考にしてください。
学年・コース・時間別 月謝相場 | 学生コース 週1回60分 月謝 | 学生コース 週1回90分 月謝 | プロコース 週1回60分 月謝 | プロコース 週1回90分 月謝 | 詳細 |
小学生 | 15,000円 | 22,500円 | 22,500円 | 33,570円 | 相場額の詳細 (小学生) |
中学生 | 15,000~20,000円 | 22,500~30,000円 | 22,500~30,000円 | 30,000~45,000円 | 相場額詳細 (中学生) |
高校生 | 20,000円 | 30,000円 | 30,000円 | 45,000円 | 相場額詳細 (高校生) |
解約時の条件
解約時の条件で注目したいポイントは以下の2点です。
- 違約金の額と発生条件
- 解約申告後、辞めるまでの期間(申告の翌月末に解約、など)
契約直前に明かされることもあるため、最後まで油断せず、契約内容を確認しましょう。
違約金がない会社も多いので、色々な会社を聞いてみるといいみたい。
入会前面談の対応
多くの会社では、入会前に無料体験やカウンセリングをします。この対応するのは会社の営業スタッフ。
このスタッフは会社の顔とも言える社員なので、マナーや学習プランの提案力などが社内でも優れています。
スタッフのマナーが悪かったり、応対に疑問を感じる場合は、入会後も同じ印象を持つことになるでしょう。
指導プランを提示してくれるか
サポートが手厚く、学習ノウハウが備わっている会社は、面談時に勉強プランを提案してくれます。
親身になって提案してくれると、親としても安心できるね。
会社が勉強プランの提案をしてくれるか、それが納得できるものかを確認しましょう。
入会前面談の情報が引継ぎされているか
実際の先生が初回授業に来た際には、入会前面談の内容が先生に引継ぎされているか確認しましょう。
体制が甘い会社は、引継ぎがされていないことも。
その場合は改めて伝え直したり、会社に意見しても良いです。
入会後も勉強の相談に乗ってくれるか
多くの会社は、サポート本部を設置しており、スタッフが常駐しています。
入会後に授業の様子や、テストの結果について不安がある場合は、コンタクトを取り、相談してみましょう。
サポート体制ができており、ノウハウもある会社ならアドバイスをくれます。
会員サポートは、会社にとって直接利益を生まないので、会社によって充実度にかなり差が出ます。
親身になって対応してくれるようなら、その後も任せてよさそうね!
成績も上がらず、先生とサポートの対応も不安なら、家庭教師会社を乗り換える選択肢もあります。
ただし、お子さんの勉強に影響がでるので、慎重に行いましょう。
ここまでの内容を一覧にした表を作成しています。必要に応じて活用してください。
よい派遣会社を探すコツ
家庭教師の見極めは、派遣会社を探す段階から始まります。
派遣会社を探すときには、以下の点を意識すると失敗を防ぎやすいです。
家庭教師は大手企業が良いとは限らない
はじめて家庭教師を探す親御さんは、「大手の企業が安心」と思うかもしれません。
しかし、こと家庭教師に限っては、そうとは言いきれません。
CMを多く流す大手企業は、宣伝費にお金をかけるため、金額が相場より高いことも。
一方で、広告が少なかったり、その地域限定の会社でも、サポートやノウハウが充実していることも少なくありません。
「大手だから」と簡単に考えず、知名度にとらわれない会社選びが大切ってことね。
地元の家庭教師会社を探す方法
地元の家庭教師会社を探す方法としては、以下が挙げられます。
- webで「家庭教師○○(地域名)」と入れて検索する
- 新聞の折込チラシを見る
- 知り合いで家庭教師をしている人に聞く
一概に大手の会社がダメというわけではなく、このようなリサーチの結果、評判も良さそうなら、候補に入れるのもアリです。
高額教材販売会社に注意!
地域のスーパーなどに、手作り感のポップなパンフレットがおかれていることがあります。
- 優しいお兄さん・お姉さんの先生が教えます!
- 勉強が苦手な子に、基礎からゆっくり教えます!
のようなうたい文句の広告には注意。
こういう会社の大半は、教材販売会社であり、高額(数十万円)の教材をあっせんされる危険があります。
一括資料請求サイトを利用するのもアリ
うまく候補を見つけられない場合は、資料請求一括サイトを利用するのも一つの方法。
無料で利用が可能で、住まいの地域と学年、家庭教師の利用目的を入力すると、オススメの会社を2、3社資料請求してくれます。
「【かてきょnavi】(家庭教師比較くらべ~る)」などのサービスが有名です。
必ず複数社を聞いたうえで比較検討すること
一番大切なのは、複数社の体験を受けて比較検討することです。
家庭教師会社はどこも一緒ではありません。
それぞれに料金システムやサポート内容が違いますが、それは、実際に体験しないと分からないものです。
何社も体験するのはけっこう手間がかかるわね・・
家庭教師選びは、お子さんの成績や進路に大きく影響するので、これくらいの労力は必要だと思いますよ。
無料体験をする際には、先ほど紹介したポイントをもとに各社を比べましょう。
実際の教師で体験できる会社を選ぶのもアリ
普通の派遣会社は、入会後に先生を紹介します。
入会前の面談でお子さんのタイプを見極めて、それに合う先生を派遣するという流れです。
しかし、なかには入会前に実際の先生が体験できる会社も。
先生との相性が不安だったり、事前に先生を見極めたい場合は、このタイプの会社が安心です。
- 対面の家庭教師なら「家庭教師ファースト」
- オンライン形式なら、「オンライン家庭教師マナリンク」
の2社がおすすめです。
初心者が個人契約をするのは苦労が多い
家庭教師では、会社を通さずに個人契約をする方法もあります。
個人だと、会社に比べて金額はかなり抑えられます。しかし、教師との契約・交渉や、教師の見極めを親が自力でやらなければいけません。
また、会社だと学習アドバイスなどのサポートを受けられますが、個人の場合は、先生個人の能力しか頼れません。
ある程度家庭教師を頼んだ経験がないと、個人契約は大変そうですね。
会社には「意識高い系」と思わせる
派遣会社を利用する場合、希望教師の条件を詳しく伝えるのをオススメします。
性別や経験、性格や教え方などについて、細かく希望を伝えてみましょう。
すべての条件に合う理想的な先生は難しいかもしれませんが、なるべくそれに近い先生を探してくれます。
細かい条件をつけることで、「この家庭の意識は高い」と思わせることも重要。
意識が高いと思わせれば、派遣後にクレームを受けないよう、良い先生が紹介される可能性が上がるためです。
おおらかで優しい家庭だと思わせてしまうと、少し未熟な先生を紹介してもいいかと思われる危険があります。
入会前に実際の先生で体験できる会社
入会前に先生を見極めたいなら、事前に実際の教師で体験できる会社を選ぶのがおすすめ。
以下の2社は、実際の先生で体験ができるうえ、さまざまな魅力があります。
運営歴30年近くの老舗「家庭教師ファースト」
対面の家庭教師で、入会前に実際の先生で体験できるのが「家庭教師ファースト」。
相性が合わなければ、断るかもう一度別の先生を紹介してもらえます。
先生との相性を見極めたうえで入会できるってことね!
また、ファーストでは、入会金やサポート費用など、多くの会社で必要な費用がない点も魅力。
授業料と交通費の他には、年1回の更新費のみ(8,800円)ですみます。
分かりやすい料金体系なので、安心してスタートできます。
運営歴も30年近くにおよぶ老舗で、運営も信頼できます。
先生との相性が事前にわかる!
全国の先生から指名できる「オンライン家庭教師マナリンク」
オンラインで実際の教師で体験したいなら、「オンライン家庭教師マナリンク」がおすすめ。
マナリンクはプロ教師に特化しており、全国に色々な専門分野の教師が在籍しています。
その中から、希望に合う先生を探して体験可能。
まずは体験や面談を行い、安心できるなら入会しましょう。
希望教師を探すのが難しいなら、運営スタッフに相談することも可能。
希望や予算を伝えて、それに合う先生を探してもらうのもアリです。
なお、マナリンクはプロ教師に特化しているため、授業料は、他社の学生コースより少し値が張ります。
ただし、ファーストと同様に、入会金やサポート費用など、会社によくある費用が不要。
分かりやすく安心できる料金体系ですね。
プロ教師が事前に試せる!
見極めるためには複数社の体験がおすすめ
家庭教師を始める前や、始めた直後は不安になるかもしれません。
この記事で紹介したポイントで見極めれば、大丈夫か判別がつくでしょう。
また、家庭教師や派遣会社を見極めるために重要なのが、複数の会社の体験を受け、比較すること。
体験を受けることで、会社間の違いが分かります。そこから自分にあった会社を選ぶと後悔せずにすむでしょう。
記事内で紹介したサービス・会社
- 対面で実際の教師の体験ができる家庭教師ファースト
- 実際のプロ教師が事前に体験できるオンライン家庭教師マナリンク
- 地域オススメの会社を無料で一括資料請求できる家庭教師比較くらべ~る